3月23日 高千穂町[高千穂峡・天岩戸神社]〜神話の世界に浸るの巻〜


炭焼き小屋見学を終えた一行は、神話の世界、高千穂へと向かうことに。

途中、棚田や、立派なアーチ橋が見える。


しだいに谷が深くなり、変化に富んだ風景が目の前に広がり始める。

高千穂町の中心部は、高原であることを忘れてしまいそうな、賑やかな観光街。

この辺りに観光スポットは幾つかあるが、まずは「高千穂峡」へ


駐車場に車を停めると、週末ということもあり、観光客は多め。  

中国語や韓国語も聞こえてくる。

店が混む前に早めの昼食をとってから、遊歩道を渓谷に向けて下りていく。


高千穂峡(別名「五ヶ瀬川峡谷」)は、阿蘇山から噴出した火砕流が五ヶ瀬川沿いに流れ出し、急激に冷却された事で、柱状節理と呼ばれる蜂の巣に似た形の柱が集まったような形の岩となり、それが川の侵食によってV字峡谷となったという。



岩の柱が両脇にそそり立った、高さ80〜100mにも達する断崖が7kmにわたって続く、壮大なスケールの絶景が広がっている。

遊歩道を歩いていると、対岸に高くそび立つ「仙人の屏風岩」、河川敷には「鬼八の力石」が。



渓谷の深いところまで下りると、前方に日本の滝百選の一つ「真名井の滝」が現れる。


この滝には「天孫降臨の際、この地に水がなかったため、天村雲命が水種を移した天真名井の水が滝となって流れ落ちている」という言い伝えがある。

滝の流れ落ちたところは切り立った淵になっており、神秘的。


観光ボートに乗って、滝を仰ぎ見ることも出来るのだが、

時折、ガツン、ガツンと、ボートが岩などにぶつかる音が鳴り響いていて、

幻想的なムードをぶち壊し、少し興ざめが。



来た道を引き返し、駐車場へ。


溶岩が生んだ柱状節理による、圧巻の芸術作品。



次に、車で15分くらいのところにある「天岩戸神社」へと向かう。

天岩戸神社は、日本神話(古事記・日本書紀)の中に登場する天照大御神がお隠れになった天岩戸と呼ばれる洞窟を御神体として御祀りした神社。

岩戸川を挟み、西本宮と東本宮が鎮座し、川上には八百萬の神々が集まり相談したという「天安河原」がある。



駐車場から天岩戸橋を渡り、


参道を進んで、大鳥居へと進む。


鳥居の斜め左側から、岩を持ち上げる手力雄命(タヂカラオノミコト)像が顔をのぞかせている。




ここで思いがけず、芭蕉の句碑に遭遇。



「梅が香に のっと日乃出る 山路哉」

高千穂の早春の光景を詠んだものだという。



神社の前には、熊谷守一の絵のようなマスコット猫が、何食わぬ顔で座り込んでいる。


境内には、「御神木」と書かれた大木が。


天照大神を洞窟から誘き出すためにアメノウズメノミコトが舞を舞った時に、手に持っていたのがこの木の枝だったそうだ。



手を合わせて、神社を参拝。


天岩戸の洞窟見学ツアーがあるというので、神主さんの話を聞きながら神社の境内をまわる。


お祓いを受けた後、ぞろぞろと神主さんの後に続き、神社の裏側に入る。


ここからは神域のため、撮影は禁止である。


鬱蒼と緑に覆われる対岸の岸壁に、オニギリ型の窪みが見られるが、これが天岩戸の洞窟の名残りなのだそうだ。

あたりを包む、静寂で、神々しい雰囲気に圧倒され、しばし佇む。


神域から戻り、「神楽殿」前へ。



拝殿には天照大神を表す鏡が鎮座しており、妖しげな光を放っていた。

「天岩戸神楽」の映像が流れており、しばらく鑑賞する。

ここから500mほど沢へ下りたところに、天照大御神に洞窟からどうやって出てきてもらうかを八百万の神々が話し合ったとされる「天安河原」(別名「仰慕ヶ窟」)があるというので、足を延ばすことに。
 

ここは、岸壁に開けられた大きな窪みに設けられた祠である。



以前は、社のみがあり、地元の人々の信仰の対象となっていたそうだ。


しかし、いつのまにか祈願を行う人たちの手により、周囲に無数に積み上げられた石積みが出来上がっていったという。



恐山を思わせる、神秘的な景観。


高千穂は、総じて、神話の世界を背景に、ロマン溢れる、非常にスピリチュアルな場所であった。

キャンピングカーで日本一周

キャンピングカーで日本一周の旅に出ています。夫婦二人、各地の歴史や文化、暮らし方を学びながら旅しています。

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