6月21日 立山黒部アルペンルート〜「雪の大谷」目指して立山へ


今日は、まずまずの天気。

少し早起きして、「立山黒部アルペンルート」ショート・トリップを楽しみに、立山駅まで車を走らせる。


富山と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、「雪の大谷」のこの映像。


日本国内で、一度は行ってみたかった場所の一つであったが、富山といえども日中30度近いというこの季節。

鼻っから諦めて話題にも上っていなかったが、富山観光をネットを検索すると、なんと‼︎ この時期でも「雪の大谷」が見学出来るというではないか!!!



明日が22日なので、21日の今日はギリギリセーフ。

ならば、天候もなんとかなりそうな今日しか、我々にチャンスはない。

という事で、昨日、急遽立山行きを決めたのだった。



「立山黒部アルペンルート」は、富山県立山町の立山駅と、長野県大町市の扇沢駅とを結ぶ、総延長37.2km、最大高低差 1,975 mの山岳観光ルート。

4月中旬から開通し、11月中旬には閉鎖される(天候による)。


ルート内を、立山ケーブルカー、立山連峰の景観を望む高原バスや立山ロープウェイ、全線地下式のケーブルカー、黒部ダム建設に用いられたトンネルを通る電気バスなど、様々な乗り物を乗り継いで移動する。


我々は車を乗り捨てるわけには行かないので、日帰りコースで行くしか道はない。

「雪の大谷」さえ見られれば満足なので、黒部ダムを経由して長野県側に向かうことはせず、「立山室堂」で「雪の大谷」を見て折り返すことに。


道の駅「ウエープパークなめりかわ」から片道約40kmだが、いつものナビの勝手気ままな渋滞回避ルート誘導のお陰で、細めの住宅街や旧街道をゆっくりと進んだりした為、一時間半ほどかかって立山駅に到着する。



ありがたいことに、駅前の駐車場は無料で、しかも広い。

今日は日帰りコースということで、ここから立山頂上付近までの往復チケットを購入。


最初に、ケーブルカーで美女平へ行き、そこで高原バスに乗り換え、室堂平まで向かう。



駅入口は、団体客も多く混雑しているが、富山地方鉄道・立山線も乗り入れているので、全員が同じケーブルカーに乗るわけではないと知り、ホッとする。


立山駅から、ほぼ満員のケーブルカーに乗って約7分、「美女平」に到着。

そこから、駅で待ち受けていた高原バスに乗り込む。

こちらは団体客用にバスがチャーターされていたのか、座席にも余裕が。


バスは約50分の行程で、ブナ林・滝・湿地帯を縫って走る。

乗客は、大半がアジア系の外国人のようだ。

所々に滝があったり、天然記念物の大木があったりで、テレビ画面の解説を聞きながら、皆シャッターを切りまくる。


「危険な場所なので、立ち上がらないでください」とのアナウンスもどこ吹く風、シートベルトを外し、立ち上がって通路に出ようとする人も。

小さめに聞こえる早口の英語のアナウンスのせいかもしれないと、そのまま発音を真似て、ゆっくりと、大きめ声で周辺の乗客に注意を促す。

すると、すぐにハッとした様子で、すぐに座席へと戻る。

さすがに、こうしたところにまで、わざわざお金をかけてやって来る外国人客はマナーが良い。



「室堂」に到着。周囲は、こんな感じ。



一行は、まず、駅構内にあるムービーで「雪の大谷」について学習。



この道は、3月頃からGPSで位置を確認しながら、大量の重機で除雪して造られる。


高い壁が可能なのは、富山が豪雪地帯の南限であり、湿気を含んだ雪の重さが2倍近くもあることから、雪が崩れにくいらしい。



さて、いよいよ本番。

我々も「雪の大谷」へと繰り出すことに。

案内では、全盛期には15メートルから20メートルの雪の壁を目の当たりにすることができるというが、すでにシーズン最後のため、全くの拍子抜け。



ネットの情報では、現在の壁面の高さ9mとあったので、9mの壁が囲んでいるのかと思っていたら、それはほんの一部分の事だった。




3月の開通準備で雪道を切り開き始めてから、すでに3ヶ月以上経過しているだけに、壁面の雪も真っ白ではない。

あと一日で終了という時期であったので仕方ないが……。

雪山登山経験者のYとしては不満もつのるが、立山や剣岳の風景をカメラに収め、満足することに。




シルエットの美しい立山連峰の「雄山」。



これは、車窓から撮った「剣山」

窓ガラスの色が掛かっていて、微妙な写り具合。



こんなに大勢の団体で登山している人もいるんだなぁと感心していたら、富山県警の救援訓練の方々だった。



東南アジアから来た観光客にとっては、こんな雪景色でも嬉しいのだろう。

大人も童心に帰ってはしゃぎまくっていた。


オフシーズン間近なせいか、「雪の大谷」へ通じるゲート付近に投げやりな感じで置かれていた、スタンプも押されていない「通行証」を記念にいただく。


雪が少ないのは、致し方ない。

雰囲気だけでも味わえたので、ここは良しとしよう。

ただ、ネット情報は、もう少しちゃんと現状を知らせて欲しかったかも。

二人合わせて一万円弱の交通費をかけて、わざわざやってくるのだから……ね。


帰りのバスは、10分ほど待っただけで乗り込むことが出来た。


疲れていたせいか、乗車後すぐ、知らぬ間に爆睡。

終点の「美女平」到着寸前で、ハッと目がさめる。


帰りのケーブルカーは、待ち時間30分ほど。

一緒にバスから降りた乗客に加え、辺りを散策していた人達が乗り込むようで、KY夫婦の背後には、外国人観光客を交え、およそ20名ほどが行儀よく並んでいた。

すると、前に並ぶ20代の男性に、背後から声を掛けてきた男性が。

会社の仲間内の旅行なのか、50代、30代の男性二人が前の男性と立ち話を始めた。

5分ほど経過した辺りで、もしや、これは……と思い始める。

男性二人は、列から横に少しだけハミ出すようにして立ち、微妙なポジションを獲得し始めている。

そして、50代とおぼしき男性は、周囲に割り込みで座席を譲ることを容認して欲しいと訴えるが如く、ひときわ大きな声で、「疲れた」「眠い」を連発している。

前にいる男性が、「バスの中で寝なかったんですかぁ〜?」と尋ねると、

「俺は、みっともない格好を見られるのが嫌なんだよ。

周りの年寄りは、みんな大きな口をパカ〜と大きく開けて寝てたけどさぁ〜。

恥ずかしくって、ムリ‼︎」と、のたまう。


しばらくして改札が始まり、もしや、と思っていたことが現実となる。

ハミ出し男衆は、自然の流れで我々の前にさっと滑り込んできた。

やはり、勘は当たっていた。


しかし、こんな状況、風紀委員のKが黙って見過ごすわけはない。


以前の滞在先の中国でも、割り込みには断固として抗議してきたKである。

その為に中国語を鍛えたようなもの。

Kにとって、言葉は戦うための武器なのだ。


日本であれば尚更のこと、同胞として許せるわけがない。

「すみません。みんなきちんと並んで待っていたんですよ。割り込みはダメですよ‼︎」と、出来る限りの柔らかい口調で、優しく語りかけるK。←そう努めたつもり

しかし、「すみません」と言ったのは、若い方の男性だけ。

そう言いながらも躊躇することなく、堂々と我々の前にさっと割り込み、足早に歩き出す。

先輩風を吹かせて、老人客をバカにしていた50代の男性はというと、ノーリアクションで前方へと進んで行く。

その姿を見て、🔥が着いたK。
「外国の方もいらしているのに、割り込みなんて、恥ずかしいでしょ‼︎」と畳み掛ける。

Kは「人より優位に立つためには何をしても構わない」というような、傍若無人な人間が、とことん許せないタチなのである。



結局、二人は車に乗り込むには乗り込んだが、最後尾に立ち、座席には座らず。

後ろめたい気持ちがあるんだったら、最初から最後尾に回っていればよかったのに。

大義はこちらにあるとはいえ、やはり多少の気まずさは残るので、我々は最前列の座席まで進み、腰を下ろす。

しかし、そこは進行方向逆向き。

前方の運転席前に、一人分の立ちスペースが空いていたで、そこにKが立って撮影してみた。


途中、上りの車両とすれ違う。

上から見下ろすと、同じ車線上に車両がいるように見えた。

しかも、この車両は運転席に人がいない。

このままではぶつかってしまう‼︎

と焦っていると、下の車両が分岐点へと移動。

車両は、何事もなく、我々の横を通り過ぎていった。



終点の立山駅に到着。


駅構内は、相変わらずの賑わい。

大きな駐車場も、全国各地から訪れている観光客の車で、ぎっしりと埋まっていた。


なぜか、斜め前に停まっている車が「つくばナンバー」だった。

茨城勢、ここに集結か!? 


駐車場に停まっている車のナンバーを見ていると、近隣近県都市の「れ」や「わ」の車も多いので、観光客はレンタカーで走り回っているのだということがよくわかる。

最近では、アジア人観光客が運転するレンタカーも多いので、観光地などの駅や標識、駐車場、トイレなどの主要箇所では、もう少し分かりやすい工夫が必要だと感じる。

英語だけで対応するのは難しいかもしれない。




さて、今回の行程では、最後に味噌がついてしまったが、これはちょっとしたアクシデント。

黙っていれば波風も立たずに済むのだろうけど、それでは気持ちが悪い。

我々がおかしい所だって、指摘されれば直していくし。

そうやって、みんなが気持ちよく過ごせる環境は整ってゆくのだと信じたい。


次は、4月の開通直後を狙い、真っさらな雪の中を通り抜けて、富山から長野へと抜ける全ルートを辿ってみたいと思う。

自家用車だと往復して戻って来なければならなくなるから、ツアーか鉄道の旅になるだろうなぁ。

キャンピングカーで日本一周

キャンピングカーで日本一周の旅に出ています。夫婦二人、各地の歴史や文化、暮らし方を学びながら旅しています。

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