9月18日 石巻市内散策(復興まちづくり交流館・中央館、いしのまき元気いちば)

今日も晴れ。昨晩は車に埋もれていた駐車場も、朝ともなれば八割方は空きスペースとなる。これまで遮られていた視界も開けたので、しげしげと周囲を見渡してみると、この道の駅「上品の郷」の前には住宅群が広がっていることに気付く。

ネットで調べてみると、これは宮城県石巻市が東日本大震災で被災した半島部の住民向けに整備した災害公営住宅団地「二子(ふたご)復興住宅」であった。

なるほど、ここならバス停、温泉、足湯(無料)、大方の日用品が揃うショップ、コンビニ、ガソリンスタンドがあるので、生活も便利。買い物難民にもならずに済むし、集落は孤立化しにくい。

被災者の方の地元石巻市街地へ向けて、循環バスも運営されている。

⭐️おすすめの道の駅認定⭐️ 道の駅「上品の郷」




コミュニティバスの後を追うようにして、我々も石巻の市街地へと車を走らす。

石巻市は人口約15万人で宮城県では第2の都市。地理的には、石巻は東北地方を南北に縦断する北上川の河口にあたり、盛岡や花巻など、東北の物流の拠点と結ばれた物資の集積地であり、江戸時代にはそれらの物資が石巻の港を経由して、遠く江戸方面にまで運ばれた。北上川の舟運は鉄道の発達により衰えたが、そうした地理的な優位性はこの町を大いに発展させた。この地を訪れた松尾芭蕉も、当時の石巻の繁栄ぶりに驚かされたという。

また、西に松島、東に金華山という全国的に知られた観光名所を東西に抱え、さらに西の大都市・仙台との中継地であったことも見逃せないだろう。
 
現在、市内中心部から少し西側のエリアに、いわゆる郊外型のショッピングエリアが広がっている。そこには何でも一通り揃っているので、洗濯、日用品の買い出しなどを済ませることに。


日常業務を片付け、市内中心部へと向かう。石巻日日新聞の資料を展示しているという「石巻NEWSee」を探して街中をウロウロしていると、震災前からの古い建物が結構残っていることに気づく。


近くの公営の2時間無料の駐車場には高さ制限があり、入れず。仕方がないので裏通りのタイムズを探し出し駐車。しかし、ここにきて二人、方向を見失う。

確か、さっきも この店の前を通ったはず……と思っていたら、向かい側に「ピースボートセンターいしのまき 」を発見。
そこで、スタッフの方に地図をもらい、場所を伺う。丁寧な対応に感謝。

「震災伝承スペース つなぐ館」の隣に、「絆の駅」と書かれた看板があった。

どうやらここが「石巻NEWSee」らしい。

館内には震災直後に発行した石巻日日新聞号外の「手書き壁新聞」の実物と、被災直後の石巻市、東松島市、女川町の写真を公開。さらに、石巻地域の100年の歩みをたどる年譜、写真、地元関連の書籍、街の足跡を見つめ直す資料などを展示しているという。

開館時間まであと一時間程あったが、残念ながら鍵がかかって入館できず。それでも、ガラス窓の外から壁新聞を眺めることができた。

地元紙・石巻日日新聞は震災後、印刷機が動かない中で、6日間この壁新聞を発行し続けていたそうだ。


次に、近くにある「復興まちづくり交流館・中央館」を見学。

外壁には浸水高度が記録されていて、だいたいYの背丈の上、約2mくらいのところにラインがある。ということは、少なくともこの辺りの建物の一階部分は丸々浸水したことになる。

館内では外国人(多分チュニジア)の10人ほどの団体が見学に来ており、イギリス人の館長さん(リチャードさん)の英語による説明を聞いていた。この方は元・石巻専修大学の先生であったそうだ。

そして地図で見る限り、東日本大震災の震源から直線距離で最も近い位置にある。津波の高さは気象庁発表で8.6mだが、各地域で確認された津波の最大浸水深は、雄勝地区約15m、北上地区約12m、牡鹿地区約9mとなっている。

展示を見ると、他の地域と比べ、石巻の被害額はかなりのものであったことがわかる。水産業をはじめとする各産業の被害額の合計は約2620億円で、一つの市で岩手県全体の約2550億円に匹敵する数字だ。

他にも、地殻変動、火災発生・家屋被害件数、被害者総数における石巻の被害の大きさがよくわかる。


商店街には、元々仮面ライダーやサイボーグ009などの漫画家・石ノ森章太郎作品のアニメキャラクターが配置されていたが、その全キャラクターが、あの津波でも流されなかったことから、石巻市の復興のシンボルとされ、変わりゆく街の営みを見守っている。


街の復興を盛り上げるカラフルな屋台。

津波に耐えた一本の木。下には小さな祠も。

そして、繁華街の片隅に重みのある未来へのメッセージが。


夕飯は、「いしのまき元気いちば」で、たこ飯、冷凍ホヤ、金華サバなどを購入し、昨晩と同じ道の駅「上品の郷」へと帰る。

キャンピングカーで日本一周

キャンピングカーで日本一周の旅に出ています。夫婦二人、各地の歴史や文化、暮らし方を学びながら旅しています。

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