9月10日 米沢市→長井市→白鷹町→長井市(60km)

今日のスケジュールを検討した結果、養蚕農家の訪問・養蚕体験はどうかということになり、さつそく道の駅「米沢」の観光案内所で尋ねてみる。

すると、ここ米沢市内には、現在そのような体験が可能な施設はないとのこと。他エリアではどうかと聞くと、長井市や白鷹町の名が挙がった。

そこで、すぐ近隣の長井市へ行ってみようということになり、車を走らせる。

長井市の観光案内所も、やはり道の駅内にある。そこで昼食を食べ、問い合わせる。答えはNO。白鷹町ならあるかもしれないということで、車は一路白鷹町へ。

この地は東北にお住いの日本語教師仲間Mさんから、この地で町おこしの活動をされている方達の情報をいただいており、その中にも養蚕体験の話が出ていたので、一縷の望みをかけていたのだが……。

町役場の観光案内所で問い合わせると、今の時期はダメ。8月だったら見学ぐらいは出来たかもしれないという事だった。

窓口の若い女性職員の方は、ふらりと訪れたどこかの馬の骨であるKY夫婦を邪険にせず、ご丁寧に対応いただき、あれやこれやと資料を集めてくださり、恐縮してしまった。

以前、青森でも、若い女性職員の方の対応に感謝した覚えがある。このようなこれからの街づくりに欠かせない人材を有する土地の未来は明るいと感じた。

白鷹町の道の駅に立ち寄り、しばし休憩して今後の方針を相談した結果、今日のところは長井市まで戻り、そこで宿泊することする。(k)


道の駅「川のみなと長井」は2年前に開業した新しい道の駅。
「川のみなと」の呼称の由来は、ここ長井が最上川の上流部にあたり、江戸時代には舟運の港として栄えたからだ。そして、大正3年(1914年)、長井に鉄道が開通したことにより、200年以上にわたる舟運の歴史は幕を閉じた。

その後、長井軽便鉄道は国鉄、JR長井線を経て、現在は山形鉄道フラワー長井線となっている。長井駅から4駅目に「蚕桑(こさん)駅」という気になる名前の駅があったので、道の駅からジョギングで往復してみた。

走り出すと雨がポツポツ落ちてくるが、大したことはない。県道259号を北に進むと、最上川の支流、野川を越える長い橋がある。大豆畑を横目に見ながらしばらく行くと、左手に小さな祠がふたつ杉木立の間に並んでおり、「山の神」と書かれてある。
「山の神」を見て、ここ長井市の農民・菅野芳秀さんの言葉を思い出す。

「レインボープラン」(台所と農業をつなぐながい計画)の中心メンバーの一人であった彼は、ケージ飼いではない、平飼いの方法で養鶏を行なっていたが、自家配合飼料に山から取ってきた土をひと握り入れていた。そこに含まれる「その土地の土着の微生物」が、飼料に混ぜた米ヌカを養分にして飼料を分解・発酵させることで、栄養価を高め吸収を良くし、鶏を健康にするのだ。菅野さんは土壌に住む微生物のことを「山の神さま」と呼んでいた。

「この一握りの土の中に、1億もの微生物が住んでいるんだ」と話していたのを思い出す。もう20年も昔のことだ。

致芳地区センターを過ぎて左に屈曲すると、県道9号に出る。右折して北に向かうが、ここからは歩道が狭く凸凹していて、街灯もほとんどないので走りにくい。白兎駅付近から先に行くところで白鷹町に入る。

ちなみに、白兎地区の西には「長井葉山」という地元の人に親しまれている山があり、ある登山者のブログを拝見すると、ブナやツツジなど、色とりどりの植物を鑑賞しながら登ることができ、登山道の近くには小さな湿原もある。さらに西には、ピラミダルな山容から「東北のマッターホルン」と呼ばれる祝瓶山(1417m)を望むことができるらしい。

道の駅から蚕桑駅まではゆっくり走って40分ほど。
この面白い名前の駅は、養蚕が盛んだった山形県の中でも、ここ白鷹町が特に養蚕の中心地だったことに由来することは間違いない。ただ、なぜこの駅を選んでこの名が付けられたのかは、ネットで検索するだけでは分からなかった。
来た道を戻る。反対車線の歩道を走ってみると、歩道の凸凹は少なくなったが、アスファルトの割れ目からセイタカアワダチソウが伸びはじめ、足にバチバチ当たる。雨は相変わらずで、眼鏡に雨粒がつくと対向車のライトがハレーションのようになり、前が見えなくなる。前が見えないときに、足元に何か当たるとちょっとこわい。

県道259号に入るところで曲がらず、県道9号をそのまま長井駅付近まで南下することに。ところが、メインだと思った道が思ったより暗くて走りづらい。しまいには歩道がなくなり、行き交う車が危なっかしくて先に進めない。結局、羽前成田駅付近から左に入り、もと来た国道259号に戻って道の駅まで帰った。

長井駅〜蚕桑駅は6.3kmとのことなので、だいたい14kmくらい走ったことになる。久しぶりに真面目に走った充実感。

あとで道の駅の観光案内を見ると、実は手前にあった羽前成田駅の方が絵になるらしく、古い木造駅舎が現在でも使用され、国の登録有形文化財になっているようだ。(Y)

キャンピングカーで日本一周

キャンピングカーで日本一周の旅に出ています。夫婦二人、各地の歴史や文化、暮らし方を学びながら旅しています。

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