3月13日 長島町→出水市[出水麓歴史館・武家屋敷群]→伊佐市[大口歴史民俗鉄道記念資料館]→霧島市(132km)②

続いては、お隣の伊佐市へ。

平成の大合併で、菱刈町と大口市が一緒になり、伊佐市となった。

Kの父親は、旧大口市の出身で、Kの本籍地は成人するまで、ずっとこの大口市にあったのだった。

父親が鹿児島の本籍地にこだわり続け、住民票は居住先に移転させたものの、戸籍はこの地に残したままであったのだ。

したがって、大口は「Kゆかりの地」ということになる。

そういえば、吉田拓郎も父親の仕事の関係で、いっ時、この大口に住んでいたらしい。

ということは、大口は「吉田拓郎のゆかりの地」ということにもなる(╹◡╹)♡



さて、その大口だが、かつては先の出水同様、薩摩藩の外城・大口麓があった。

Kの旧本籍地の住所は、「大口里」。

この地は市役所にも近く、城山のふもと辺り。

比較的便利な場所にあるとは思っていたが、この「里」というのが、実は外城の中心部「麓」のことであったということが、調べを進めるうちにわかってきた。

ネットで検索してみると、近くにはまだ、このような武家屋敷が残っているらしい。

残念ながら、この本籍地を守る親類縁者はおらず、それを知ったのは この地を去ってからであったので、武家屋敷を散策することは叶わなかった。


Kの先祖も、ここで半農半士を生活を送っていたと聞いていたので、この大口麓の武士であったということになる。

大口は、西南戦争の激戦しても知られ、大口麓の武士たちは、西郷側について政府軍と戦ったとされている。

どうりで、あの辺りで西郷さんのことを悪く言う人は、一人もいないわけである。


ということで、大口の歴史について更に見聞を深めようという事になり、「大口歴史民俗鉄道記念資料館」を見学することに。



大口には、かつて山野線と宮之城線という2本の鉄道が通っていたが、80年代後半にどちらも廃止されてしまい、すっかり寂れてしまった。

この資料館は、その大口駅の跡地に建てられた公共施設内にある。


展示品では、民俗的なものとしては「田の神」が興味をひいた。



下段の左から二つ目の田の神が、木喰さん作を匂わせるような表情で、ロマンを感じる。


「神舞面」という神楽の面は、種類が豊富で、表情がユニーク。



「帖佐人形」という土人形は、「朝鮮の役」、つまりは秀吉の朝鮮出兵で朝鮮に渡った島津義弘が、「韓人陶工を連れ帰り焼かせた」とある。

軽く書かれているが、実は重い内容だ。

「連行」してきたことを、サラリと書いている。

400年以上昔の史実だからとはいえ、このあたりに征韓論へと繋がる薩摩人の深層心理が窺い知れる気がした。



また、大口には金鉱山があり、一時は日本一の産出量を誇ったという。


結構、日本の行く先々で金鉱山に遭遇するので、日本は確かに「黄金の国」であるのかもしれないと感じた。


ここは、歴史民俗資料館となっているので、大口麓や西南戦争あたりの人々の様子がわかるかと期待していったが、その辺りの展示は皆無。

そういえば、伊佐市のホームページや観光案内パンフにも、大口麓や武家屋敷は紹介されておらず。

ガッカリとして出口に向かったところで、事務室から館長さんが出てきて声を掛けられた。

館長さんとの雑談の合間に、Yがこの辺りの農産物について尋ねる。

この辺りは伊佐米の産地として有名なのだが、昨年の新燃岳噴火により、硫黄やヒ素などが水源を汚染されてしまい、全く出荷ができなかったという。


幸い今年は、水路の汚泥さらいにより水質が改善し、なんとか出荷ができたとのこと。

隣のえびの市では汚泥さらいが出来ず、今年も出荷が出来ないらしい。

自然災害に左右される、農業経営の難しさを感させる話である。


館長さんにお礼を言い、会館を後にした一行は、大口に別れを告げ、霧島へと向かう。



霧島温泉の周辺は、完全にリゾート地の様相。

美しい景観だが、居住地としては、どこか落ち着かない雰囲気。


今晩、宿泊を予定していた道の駅「霧島」に到着。



眺めは良いが、駐車スペースは高台の吹きっ晒しにある。

夜に風が強くなりそうなので、速攻で山を下る。

霧島神社の門前を通過し、国分まで下る。


城山公園に到着。



ここは隼人方面を見下ろす高台だが、周囲が木で覆われており、 

何と言っても、同じ高台エリアに観覧車と展望台がそびえ立っている。

この感じでは、たいした風が吹くとは思えない。


夕方になると、周囲には誰も居なくなり、広い敷地にポツンと一台取り残された感じ。

前には霧島、背後には木陰から桜島が、ちらりと顔をのぞかせている。

トイレの電気も点かないが、一泊なので良しとしよう。

キャンピングカーで日本一周

キャンピングカーで日本一周の旅に出ています。夫婦二人、各地の歴史や文化、暮らし方を学びながら旅しています。

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