奄美大島の中心部・名瀬のスーパーでの買い物中、あまり食欲が無かったので、「のむヨーグルト」を買おうと飲料コーナーを物色していると、「花田のミキ」という変わったネーミングの、地元メーカーらしい紙パック飲料が目に留まった。
「奄美特産」と書いてある。
宮崎で飲んだ「ヨーグルッペ」(南日本酪農)のような御当地モノの乳酸菌飲料だと早合点し、買い物カゴに入れる。
持ち帰って原料を見ると「うるち米・サツマイモ・白糖」とある。
カップに注ぐと、ドロッとしたお粥のような物体。
一口飲むと、砂糖味のお粥そのままの味。
第一印象は、正直あまり美味しくはない。
開封してしまったので、今夜の夕食のつもりで500mlを一気に飲む。
ネットで調べると、ミキは「神酒(みき)」に由来する命名で、奄美・沖縄地方で古くから作られている伝統飲料とのこと。
原料は、奄美では米・サツマイモ・白糖だが、沖縄ではサツマイモではなく、麦が加えられるらしい。発酵には乳酸菌が関与しているので、乳製品ではないものの、一種の乳酸菌飲料とは言えるようである。
飲んだあと、腹持ちがいい。消化もいいので、夏バテには持ってこいだ。
どこかで似たようなものを飲んだことがある、と思っていたら、中国で飲んだ「八宝粥」だと気がつく。
緑豆・ナツメ・ユリ根・雑穀などを甘く粥状にした八宝粥は、中国では缶詰で売られており、胃が弱っているときに気軽に飲めて重宝する。
もっとも、こちらはナツメなどの粒が大きいので、飲むというより、食べるという方に近いのではあるが。ミキとの共通点は、どちらも「とても甘い」。
そう考えると、ミキの甘ったるい素朴な味が、何とも懐かしい味に思えてくる。奄美にいる間、幾つかのメーカーのミキを飲んでみた。
最初に飲んだのは「花田ミキ店(奄美市)のミキ」だが、こちらは「竹山食品(瀬戸内町)のミキ」。
小さいサイズもある。
続けて、「島とうふ屋(龍郷町)のミキ」。
もう一つ、「栄食品工業(奄美市)のミキ」。
最後に、「東米蔵商店(奄美市)のミキ」。
味の違いは、それほど大差はないと思う。
購入後、数日で発酵が進み、酸味が出てくるらしい。好みによって、冷蔵庫に数日置いてから飲んでもよいとのこと。
ちなみに、本土でも通販で入手可能(冷凍で郵送)。
テレビで取り上げられたこともあり、メーカーによっては小規模で生産が追いつかず、品薄になることもあるらしい。
奄美大島に遊びに来たら、是非、お試しを‼︎ (Y)
0コメント